2008年01月02日

『愛のエチュード』

愛のエチュード

ジョン・タトゥーロ、 エミリー・ワトソン
マルレーン・ゴリス監督

ナボコフの『ディフェンス』が原作。
原題は"The Luzhin Defence"(ルージン・ディフェンス)。
直訳されても困るので『愛のエチュード』でいいのかもしれません。
ラストとはぴったり合ってるし。
ただ、トリュフォーの『恋のエチュード』と混同しそうになります。。

チェスを知ってる人ならこの映画の細かい点に
ツッコミを入れたくなるかもしれません。
例えば。。

・IQP ( Isolated Queen's Pawn ) の訳
 (字幕翻訳者がチェスを知らないからひどい事になってる)
・ルージン・ディフェンス
 (結局のところ 1.Nf3 にどう対応するかという事)
・最後のエチュードが実は簡単
 (数秒で解ける)

しかし、チェスをストーリーの小道具として観ると悪くない映画です。
チェスにとりつかれた主人公にジョン・タトゥーロ。
恋人役はエミリー・ワトソン。
『奇跡の海』での演技が強烈な印象でしたが
ここでは危うい主人公を支えています。

自分にとって一番大切なものが、自分の寿命を縮めてしまいます。
周囲はそれを心配してやめさせようとします。
愛するがゆえなのですが、本人はそれで死ぬのなら本望なのです。
その辺りが身につまされて非常に切なかったです。

チェスプレイヤーに感情移入して観るとつらいかも。
逆に恋人に感情移入して観ることができれば
観終わった後、爽やかな感情が残ると思います。
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2008年01月01日

『ヒストリー・オブ・バイオレンス』

ヒストリー・オブ・バイオレンス

ヴィゴ・モーテンセン、マリア・ベロ、エド・ハリス、ウィリアム・ハート
デヴィッド・クローネンバーグ監督

クローネンバーグの新作です。
といっても 2005 年ですが。

冒頭からクローネンバーグの世界です。
この人は無機質なものが大好きだと思うのですが
逆に何が気持ち悪いかという事も良く分かっています。
撃たれた後の人間が一瞬だけアップになるシーンでは
『ザ・フライ』等のグロテスクな描写を思い起こしました。

ヴィゴ・モーテンセン、マリア・ベロは
クローネンバーグの好みという感じです。
私好みでもあるわけですが。
ヴィゴ・モーテンセン、がいいです。動きが本当に美しいです。
あっちにいきそうな眼と、頬とかあごの削げ落ち具合もよいです。
マリア・ベロも美しいです。
この人もクローネンバーグの好みでしょうね。
きれいにきれいに脚とか撮ってるし。
下着も黒と白の2つを用意してるし。
コスプレさせるし。

しかし、それ以上にヴィゴ・モーテンセンを美しく撮っています。
随所にクローネンバーグらしさがみられ美しい映像と音楽。
クローネンバーグ好きにはたまらない作品です。
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2007年11月10日

『るきさん』

るきさん (ちくま文庫)

高野文子。
ちくま文庫。

以前入手したのだけれど
この部屋のどのダンボールにあるのか分からない。
引越しのときに実家に送った可能性もある。
すっごくがんばって探した結果が徒労に終わるのも嫌なので。
この機会に購入。

力抜けてていいですね。
なななんの『ハルチン』も
同じ感じで力が抜けてるけど。

自分自身、あまりお金のかからない人間なので
こういう生活が理想だな。
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2007年10月14日

『ニキータ』

二キータ

アンヌ・パリロー, ジャン=ユーグ・アングラード
リュック・ベッソン監督

今更という感じもしますが
なぜか今まで観た事が無かったので
ずるずる観てしまいました。

ブリジット・フォンダは
個人的にはかなり好きな顔立ちで
『アサシン』(今となっては彼女の代表作になってしまった)は
何回も観てました。
ちなみに『アサシン』はこの『ニキータ』のリメイク。

さて。
最初どうなる事かと思ったアンヌ・パリローが
途中からきれいに見えます。
そしてジャン・レノ演じる掃除人が異常にしょぼい扱いです。
掃除できない掃除人って。。
いいのかそんな脚本で。。
あとジャン・ユーグのにやけ具合が印象的でした。
『ベティー・ブルー』の時の方が良かったと思うけれど。

リメイク版の『アサシン』との比較になりますが
ブリジット・フォンダファンからすると残念ですが
『ニキータ』の方が良くできてると思います。
テンポがいいし自然。
『アサシン』はどこか無理してる感じ。
ブリジット・フォンダが痛々しく感じます。
(彼女はそういうキャラだが)

全体的な印象はリュック・ベッソンいい仕事したねという感じ。
この人は低予算の方が力を発揮するんじゃないかと思いました。
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2007年08月22日

『アレクサンドリア四重奏』

アレクサンドリア四重奏 1 ジュスティーヌ

アレクサンドリア四重奏 2 バルタザール

アレクサンドリア四重奏 3 マウントオリーブ

アレクサンドリア四重奏 4 クレア

ロレンス・ダレル
河出書房新社

何年か前に河出書房新社のHPに
『アレクサンドリア四重奏』の文庫化予告が掲載された。
しかし、待てども待てども発売されたという情報が出ない。
そしていつの間にかそのページもHPから消えていた。
すごく楽しみにしていたのに。

それからすっかり忘れていたら
文庫じゃないけど今年の春から夏に4冊出てた。
ずっと絶版だったけど。

これは『囚人のジレンマ』と並んで
今年の翻訳本の中で1、2位でしょう
新訳、旧訳は置いておいて。

みすず書房と河出書房新社は
文庫以外もチェックしておかないといけないなと。改めて。
あと国書刊行会も。

ともあれこのような小説が発売されるのはうれしい事。
ここまで読みたい本、最近少ないものね。。。
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2007年08月20日

『囚人のジレンマ』

囚人のジレンマ

リチャード・パワーズ
柴田元幸 訳
みすず書房

なんてこった。
邦訳が出てたなんて。
しかももう3ヶ月も経っていた。
訳はやはり柴田元幸。

言わずもがなですが
ゲーム理論の本ではありません。

これは私的に絶対に読まなければならない小説。
早速Amazonで購入。届くのが楽しみ。
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2007年07月17日

7月8月の文庫

覚え書き

7月
『黒の試走車』 梶山季之 岩波現代文庫
 小学生の時、この人の本を愛読してました。
 なんという小学生だ。

『恥辱』 クッツェー ハヤカワepi文庫
 少し前のノーベル賞作家ですね。
 これ、単行本で読んだのだけれど。
 きれいな文章だけど僕は苦手なタイプかも。
 もっと勢いがあるB級が好き。
 これは勢いの無いA級かも。

『大学という病 東大紛擾と教授群像』 竹内洋 中公文庫
 どうでもいい事ですが学生の時のゼミの教授です。
 懐かしかったので。

8月
『贋・久坂葉子伝』 富士正晴 講談社文芸文庫
 これを読むなら久坂葉子の『ドミノのお告げ』。

『フーコー』 ジル・ドゥルーズ 河出文庫
 河出書房がんばってますね。

『ピギー・スニードを救う話』 ジョン・アーヴィング 新潮文庫
 新潮社のアーヴィング本がどんどん文庫に。

『分裂病と他者』 木村敏 ちくま学芸文庫
 ほう。これが文庫で。

『魔法の庭』 イタロ・カルヴィーノ ちくま文庫
 河出かと思いきや、ちくま文庫です。

『アメリカン・デス・トリップ(上・下)』 エルロイ 文春文庫
エルロイですよ。好きな人にはたまらないでしょうね。

絶対に買いたいのは『黒の試走車』。
梶山季之と岩波がうまく繋がらないが。
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2007年07月12日

『ファラオの墓』

ファラオの墓 1 (Gファンタジーコミックススーパー)

竹宮恵子。

これ小学生の時に1カットだけ見たことがあります。
それ以来ずっと読みたかったのですが
念願がかなってやっと読めました。

あー。こりゃいいね。
なんと言うか歴史物の面白い要素が
全部詰まっている感じ。

個人的にはメリエト皇太后が好きです。

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2007年06月17日

"Against the Day"

Against the Day

Pynchon. Penguin Pr.
見つけてしまった。Pynchonの新刊。

1997刊行の"Mason & Dixon"ですらまだ翻訳されてないのに。
"Vineland"以降の比較的ソフトな流れで読みやすいらしい。
そうはいってもPynchonなので辞書無しはきつそうだけれど。
個人的には最初の3つが好きなんですけどね。。。

年齢的に"Mason & Dixon"が最後かなと思っていたけれど
こうして新作が出ているのを見るのは率直にうれしい。

原書で1085ページ。
まあ読むしかないですね。
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2007年05月30日

『風と木の詩』

『風と木の詩』
風と木の詩 (1)


竹宮恵子。

ご存知「風・木」です。
これを読んだ人はジルベール派とセルジュ派に分かれるようです。
小説にせよ漫画にせよ映画にせよ
誰かに感情移入するのですが
これはどちらにも感情移入できませんでした。。。

ただ、読んでいる間ずっと痛い思いをしていたので
(眼がどろん)
ジルベールに知らず知らず感情移入していたのかもしれません。

登場人物の中では
パットとジュール・ド・フェリィが好きだと思いました。
しかし30年前にこれを描いた竹宮恵子はやっぱりすごいですね。
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